<略称:保守協会>

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不活性ガス消火設備

不活性ガス消火設備

不活性ガス消火設備とは

不活性ガス消火設備は、消火剤がガスの為、消火後の汚染が少なく、電気絶縁性と冷却効果に優れている為、電気室や美術館、精密機械、電気通信機室等に設置されるもので、消火剤による汚損が少なく、復旧を早急にすることが必要な施設に設置されるものです。

不活性ガス消火設備
 

不活性ガス消火設備作動の流れ

不活性ガス消火設備作動chart

不活性ガス消火設備系統図

不活性ガス消火設備は、手動起動装置、感知器(自動消火の場合)、制御盤、音響警報装置及び予備電源、起動用ガス容器、選択弁、消火剤貯蔵容器、噴射ヘッド・配管等から構成されています。

不活性ガス消火設備系統図

 


不活性ガス消火設備には上記のように、火報連動・手動起動の双方で消火剤が放出不可能になった際、直接放出する手段もあります。
 

消火剤の種類

不活性ガス消火設備の消火剤は4種類あり、防護区画内に消火剤を放出し、酸素濃度を下げて消火する設備です。 消火剤自体の毒性はありませんが、空気中の酸素濃度の低下等によって人的危害が生じる恐れがあることから、消火剤放出による安全対策の徹底を図る必要があります。

 

消火剤の種類
名称 化学式
二酸化炭素(CO2) CO2:100%
窒素(N2) N2:100%
IG-541 N2(52%)+Ar(40%)+CO2(8%)
IG-55 N2(50%)+Ar(50%)


 

 

*二酸化炭素は、ある一定以上の濃度に達すると人命への危険を伴います

 

CO2濃度 人体への影響
0.036% 大気中の現在の濃度。
0.5% 労働衛生上の許容濃度(1日8時間の労働)。
3% 呼吸困難に陥る。頭痛、吐き気、弱い麻酔性を伴い、視覚が減退し、血圧や脈拍が上がる。
4% 頭痛が激しくなる。
5% 30分前後で毒性の兆候が現れ、頭痛やめまい、発汗が生じる。
8% めまいがして、人事不省の昏睡状態に陥る。
9% 血圧が失われ、充血して、4時間前後で死亡の恐れ
15~20% 視力障害、けいれん、呼吸が激しくなり、血圧が高くなって、意識が失われる
25~30% 中枢神経がおかされ、昏睡、けいれん、数時間後に死に至る。

 

 


 

  放出方式 特徴 方式名 放出ガス
固定式 全域放出方式 出火場所を密閉状態にして噴射ヘッドから不活性ガスを放出し、酸素濃度を低下させ燃焼を停止させるものです。 手動式 二酸化炭素を 放出するもの(常時人のいない防火対象物及び 手動式が不適当な場所に限り、自動式とすることができる)
自動式 窒素・IG-55・ IG-541を 放出するもの
局所放出方式 構成内容は全域放出式とほぼ同じですが、こちらは防護対象物に対して直接噴射ヘッドからガスを放出して消火するものです。 手動式 二酸化炭素を 放出するもの(常時人のいない防火対象物及び手動式が不適当な場所に限り、自動式とすることができる)
自動式 窒素・IG-55・ IG-541を 放出するもの
*全域、局所方式とも配管やヘッド、その他の機器は固定されています。
移動式 ホースリール式 容器弁、ホース、ノズルを手動によって操作し対象物に噴射して消火を行うものです。