水噴霧消火設備
水噴霧消火設備とは
水噴霧消火設備は噴霧ヘッドから水を噴霧状に放射して、火点一帯を包み、火災を消火するもので、主として冷却作用及び水蒸気により、酸素の遮断し燃焼を阻止する仕組みです。
主に、道路のトンネル・駐車場の他、指定可燃物を貯蔵・取り扱う場所などに設置されます。
スプリンクラー消火設備の様に、決められた放水量を決められた放水パターンで放水するだけではなく、ヘッドの形状によって作られる水の粒子によって様々な放水効果が求められています。
通常の消火設備が火災鎮火を目的としているのに対し、延焼防止や輻射熱による出火防止の為冷却する場合に使用したりします。
水噴霧消火設備作動の流れ
水噴霧消火設備系統図
水噴霧消火設備の構成は、開放型スプリンクラー設備の構成で開放型スプリンクラーヘッドの変わりに「水噴霧ヘッド」を設置したものです。
水噴霧消火設備設置基準
一般防火対象物 | 指定可燃物 | 防火対象物の表面を有効防護空間内に包含するように設けます。 |
道路・駐車の用に供される部分 | 道路の幅員又は駐車位置を考慮して防護対象物をヘッドから放射する水噴霧により有効に包含でき、、かつ車両周囲の床面の火災を有効に消火出来るように設けます。 | |
駐車の用に供される部分 | 防護対象物の全ての表面を噴霧ヘッドから放射する水噴霧によって有効に消火できる空間内に包含するように設けます。 |
水噴霧ヘッドの種類
- 外歯型反射板に直流を衝突させて放射する
- 内部で螺旋流と直流を衝突させて放射する
- 直流をオリフィスを通して放射する
- 2つの直流を螺旋室で渦巻状にし、オリフィスを通して放射する 螺旋流を互いに衝突させて放射する
排水設備
道路の用に供される部分又は車両が駐車する場所には、排水設備を設ける必要があります。
他の消火設備には必要とされていないもので、水噴霧消火設備など、放水量の多い設備に適用されます。
駐車場の場合
- 道路部分に100分の2以上の勾配をつける。
- 高さ10cm以上の区画境界堤を設ける。
- 排水溝の長さ40m以内ごとに集水管を設け、消火ピットに連結させること。
- 消火ピット(油分離装置付のもの)は、火災の危険の少ない場所に設ける。
- 排水溝・集水管は、最大能力の水量を排水できる大きさ・勾配とすること。