点検・整備の実施
保守点検の実施
不時の出火に備えて設置してある消防用設備は、24時間、昼夜の別なく機能を維持していなければ万一の場合に役に立ちません。
建物の火災予防・安全は所有者、管理者、占有者の最大の責任です。
当協会は、建物の管理責任者に代わって、経験豊富な消防設備士が消防用設備等の保守点検を行い、設備の故障等については24時間365日緊急対応できる態勢でお客様の安心と設備の機能維持に努めています。
重要文化財等の点検・整備
文化財
昭和24年に発生した法隆寺火災を契機に消防用設備等の点検・自衛消防訓練などが行われるようになりました。
その後、東京では昭和32年に谷中五重塔が、昭和41年に西新井大師本殿が全焼しました。
これらのことから、神社・寺院などに消防用設備の必要性が強く認識されるようになりました。
当協会では、昭和40年に東京消防庁と共同で重要文化財などに設置されている自動火災報知設備機能検査を行い、昭和41年には東京消防庁の指示により重要文化財等に設置されている消防用設備の点検を行いました。
その後も対象物を拡大しながら、点検整備を行っています。
養護施設等
養護施設等における自動火災報知設備等の点検整備については、昭和41年から東京消防庁の指示に基づき実施しています。 昭和45年から49年まで、当協会と火災報知器工業会、防災電設協同組合の3団体主催で「火災報知設備技能競技大会」を自動火災報知設備が設置されていない社会福祉施設で行い、設置した設備を寄贈し、点検整備を行っています。
事務手続き
- 点検のご依頼
- お見積の提出
- 契約書の締結
- 点検日程の打ち合わせの上、点検を実施します。
- 点検結果報告書を作成し、お客様へ提出いたします。
内容について、お客様がご確認ください。 - お客様から点検結果報告書を消防機関へ提出
- (消防機関からの技術指導)
※点検結果報告書の提出については下記をご覧ください。
点検結果報告
点検の結果は、維持台帳に記録すると共に、必ず、消防署に報告しなければなりません。
関係者は点検結果を、定められた期間ごとに、消防長又は消防署長に報告しなければなりません(消防本部のない場合は市町村長に報告します)
報告期間は、防火対象物の用途などに応じて定められています(点検の期間と報告の期間は異なります)。
防火対象物 | 報告期間 |
特定防火対象物 (劇場・飲食店・デパート・ホテル・病院など) |
1年に1回 |
非特定防火対象物 (学校・工場・駐車場・倉庫・事務所など) |
3年に1回 |
点検内容と点検期間
消防用設備等の種類等 | 点検の内容及び方法 | 点検の期間 | |
消火器具 消防機関へ通報する火災報知設備 誘導灯 誘導標識 消防用水 非常コンセント設備 連結散水設備 無線通信補助設備 共同住宅用非常コンセント設備 |
機器点検 | 6月 | |
屋内消火栓設備 スプリンクラー設備 水噴霧消火設備 泡消火設備 不活性ガス消火設備 ハロゲン化物消火設備 粉末消火設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備 自動火災報知設備 ガス漏れ火災警報設備 漏電火災警報器 非常警報器具及び設備 避難器具 排煙設備 連結送水管 非常電源(配線の部分を除く。) 総合操作盤 パッケージ型消火設備 パッケージ型自動消火設備 共同住宅用スプリンクラー設備 共同住宅用自動火災報知設備 住戸用自動火災報知設備 共同住宅用非常警報設備 共同住宅用連結送水管 特定小規模施設用自動火災報知設備 加圧防排煙設備 複合型居住施設用自動火災報知設備 特定駐車場用泡消火設備 |
機器点検 | 6月 | |
総合点検 | 1年 | ||
配線 | 総合点検 | 1年 |
交換を推奨する大凡の期間
設備名 | 機器名 | 期間 | 注記 | |
自動火災報知設備 | 受信機 | ~20年 | ||
R型受信機(電子機器部品を多用している受信機) | ~15年 | |||
発信機 | ~20年 | |||
煙式感知器 | ~10年 | |||
熱式感知器 | ~15年 | |||
熱式感知器(半導体式) | ~10年 | |||
地区音響装置 | ~20年 | |||
スイッチング電源 | ~5年 | |||
無停電電源装置(UPS)本体 | ~6年 | |||
蓄電池 | ニッカド | ~5年 | ||
シール鉛 | ~3年 | UPS 用を含む | ||
ディスプレイ | CRT | ~4年 | ||
LCD(液晶) | ~5年 | |||
プラズマ | ~5年 | |||
EL | ~5年 | |||
ハードディスク | ~4年 | |||
フロッピーディスクドライブ | ~5年 | |||
冷却ファン | ~3年 | UPS 用を含む | ||
プリンター | ~5年 | |||
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設備名 | 機器名 | 期間 | 注記 | |
水・泡系消火設備 | 閉鎖型スプリンクラーヘッド | 18~20年 | 状況によってサンプリング調査を伴う | |
感知用ヘッド | 8~10年 | 状況によってサンプリング調査を伴う | ||
泡消火剤 | たん白 | 8~10年 | 状況によってサンプリング調査を伴う | |
水成膜 | 8~10年 | 状況によってサンプリング調査を伴う | ||
合成界面活性剤 | 13~15年 | 状況によってサンプリング調査を伴う | ||
送水口 | 18~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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消火栓開閉弁 | 18~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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泡消火薬剤貯蔵槽 | 18~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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フォームヘッド | 17~20年 | |||
一斉開放弁 | 17~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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流水検知装置 | 湿式 | 18~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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乾式 | 17~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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予作動式 | 17~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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ポンプ | 18~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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ポンプ制御盤 | 18~20年 | |||
ジョッキポンプ(補助加圧装置) | 18~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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コンプレッサー | 17~20年 | |||
炭素鋼鋼管(白) | 20~25年 | |||
設備名 | 機器名 | 期間 | 注記 | |
ガス系消火設備 | 不活性ガス貯蔵容器、容器弁 | 18~20年 | 高圧ガス保安法に基づく容器再検査に合格後 継続使用可能 | |
ハロゲン化物貯蔵容器、容器弁 | 18~20年 | 高圧ガス保安法に基づく容器再検査に合格後 継続使用可能 | ||
容器弁開放装置 | 電気式 | 18~20年 | ||
ガス式 | 18~20年 | |||
放出弁開放装置(粉末) | 電気式 | 18~20年 | ||
ガス式 | 18~20年 | |||
圧力計 | 8~10年 | |||
粉末貯蔵容器、容器弁、放出弁 | 蓄圧式 | 18~20年 | ||
加圧式 | 18~20年 | |||
定圧作動装置(粉末) | 18~20年 | |||
圧力調整器(粉末) | 17~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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粉末消火薬剤 | 8~10年 | 状況によってサンプリング調査を伴う | ||
加圧用ガス容器、容器弁 | 18~20年 | 高圧ガス保安法に基づく容器再検査に合格後継続使用可能 | ||
起動用ガス容器、容器弁 | 18~20年 | 高圧ガス保安法に基づく容器再検査に合格後継続使用可能 | ||
起動用ガス容器弁開放装置 | 電気式 | 18~20年 | ||
ガス式 | 18~20年 | |||
選択弁 | 18~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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選択弁開放装置 | 電気式 | 18~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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ガス式 | 18~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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配管安全装置 | 18~20年 | |||
閉止弁 | 18~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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手動起動装置 | 13~15年 | |||
連結管 | 銅管 | 13~15年 | ||
フレキ | 18~20年 | |||
ゴム | 8~10年 | |||
音声警報装置 | テープ式 | 13~15年 | ||
電子式 | 13~15年 | |||
放出表示灯 | 18~20年 | |||
制御盤 | リレー式 | 17~20年 | ||
電子式 | 13~15年 | |||
蓄電池 | 鉛 | 4~5年 | ||
鉛シール | 2~3年 | |||
ニッカド | 4~5年 | |||
アルカリ | 10~12年 | |||
蓄電池設備充電部 | 13~15年 | |||
噴射ヘッド | 18~20年 | |||
移動式(粉末・ガス)消火設備 | 16~20年 | 設置後約10年毎を目安に 状況によってオーバーホールを要す |
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炭素鋼鋼管 | 20~25年 |
消防用設備の報告義務について
消防用設備点検の実施者
次のような建物は、消防設備士・消防設備点検資格者でなければ点検を行うことができません
特定防火対象物: | 延べ面積が1,000㎡以上のもの(劇場、映画館、飲食店、デパート、ホテル、病院、養護施設など) 屋内階段(避難経路)が1つの特定防火対象物 |
非特定防火対象物: | 延べ面積が1,000㎡以上のもので、消防署長が火災予防上必要と認めて指定するもの(学校、工場、駐車場、倉庫、事務所など。東京都では、アーケードを除くすべての建物が指定されています。) |
上記以外の防火対象物は防火管理者などの関係者が行うこともできますが、確実な点検を行うために消防設備士又は消防設備点検資格者に行わせることが望まれます。
点検報告書の提出と保存期間
最新の総合点検結果を消防機関へ提出します。
報告書は2部提出し、受付け返却された1 部(副本)は維持台帳に綴り、事業所などで保管して下さい。点検結果を防火管理等に活用します。
※ 特定防火対象物→1年に1回報告
※ 非特定防火対象物→3年に1回報告
また、消防用設備等の点検結果報告書類(個々の消防用設備等の点検票)を保存しなければならない期間は、原則3年です。(消防予第192号 『消防用設備等に係る届出等に関する運用について(通知)』 (平成9年12月5日) より)
防火管理者の方へ
点検内容の詳細は消防法で点検基準、点検要領が定められています。
防火管理者の方もなるべく点検の際はお立会い頂き、建物の消防設備の現状を把握して頂くとともに、下記項目について確認してください。
確認項目 | 防火管理者の確認留意点 |
感知器の外観 | 汚れのひどい感知器、変形した感知器は誤作動や不作動の原因となります。 防止対策のため対応方法の検討や感知器の交換が提案されていますか? |
蓄電池の交換 | 蓄電池は製造年を確認し、5年を経過した場合、交換が提案されていますか? |
警戒区域名の確認 | 感知器の作動試験時は受信機で火災警報した警戒区域名を確認しながら火災復旧を行っていますか? |
適正な試験器の使用 | 点検用の試験器は感知器に適合した試験器を使用していますか? また、試験器が破損していたり、未校正ではありませんか? |
煙感知器の感度試験 | 総合点検で全数の煙感知器の感度試験を行っていますか?(但し自動試験機能付は感度試験が免除されます) |
整備・修理の実施 | 表示灯の球切れ、感知器の不作動、誤表示など正常状態でない機器・設備は整備・修理を行っていますか? 改修に時間がかかる場合は改修の提案書・見積書を添付していますか? |
設備内容と受信機の機能把握 | 建物により他の設備への連動、操作方法が異なることがあります。点検者は設備内容と、受信機等の取扱を把握していますか? |
点検不能箇所の明記 | 点検できなかったものは場所・機器種別、理由を簡記していますか? |
お問い合わせ
一般社団法人東京防災設備保守協会
162-0805 東京都新宿区矢来町81番地の3
保守営業部メンテナンスサービス課
☎ 03-5261-4170